マリオネット劇場について「ロルフィングのたちばな in 東京」

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ロルフィングブログ

1. 『マリオネット劇場について』

2013.1.26(土)

これは「人形(書物の王国)」に掲載されている8ページほどの短編です。

ダンサーやアスリートにはぜひ読んでいただきたいエッセイではありますが、一般の方もこうした身体への興味をもっていただけると良いなぁとも思ったり☆


----以下概要----

1801年のある日に「私」は偶然「C氏」と出会い対話形式で物語はすすみます。

C氏はマリオネットの人形劇に関心をもっており、舞踏家はこうしたマリオネット(操り人形)から色々学べることがあると言います。
「人間は操り人形に及ばない」と続け、もし重心が通常よりも自然に操ることができる人形ができたならば、どんなダンサーにもできないダンスが可能だとのこと。

その理由としては、

人形は決して自分を飾ろうとせず、ただの振子のように重力の単純な法則に従い重心をコントロールできていれば四肢の動きはおのずとついてくる為であること。

また、反重力性という長所があり、人形をつり上げる力が重力よりも大きく余計な緊張が生まれない為だといいます。


それを受けて「私」は、優美さに関しては人間よりも人形が勝るとは思えないとなげかけますが、「C氏」は優美さについても人間は人形に遠く及ばないと続けます。


それは人間の意識的な行為が優美さの邪魔になるという理由です。これに関しては「私」は意識して優雅さを取り戻そうとした少年の例を語ります。意識してしまったが故に終日鏡に向かい優雅な動きを追求したのに、その試みに反して少年の魅力は1つ1つ失われて行った話です。


その後、「C氏」のフェイントの通用しない熊の話になります。その熊は「C氏」が旅行中に出会った飼われていた熊です。

熊は柱に背をもたせながら後ろ足で立ち「C氏」と向き合います。「C氏」はフェンシングで熊を突こうとしますが、それを熊は簡単に前足で防いでしまいます。

「C氏」はフェイントををかけますが熊は微動だにしません。

結局、本気の突きは前足で防がれ、フェイントの突きには動こうともしませんでした。

----終了----


「振子のように重力の単純な法則に従うだけ」
「反重力性」
「意識すると優雅さが失われる」


などかなりダンスや他の身体活動に関係するキーワードが本エッセイには含まれています。


このエッセイが発表されたのが1810年ですから今から200年も前にこうした認識はあったということですね。


本エッセイに書かれていることはロルフィングと共通しています。そのものかもしれません。

「反重力性」ということに関してですが骨で身体を支え、体重を地面にゆだねることができるとその段階の差はありますが天から吊られたような身体になります。


注意すべきなのは結果として「吊られている意識や感覚」が生まれるであって、「吊られている意識を意図的に作る」ということではないこと。

意図的に作ってしまうと大抵の人は身体を緊張させてしまいます。

この吊られるという感覚は頭部がよく知られていますが腕も脚も同様にあてはまります。


http://www.youtube.com/watch?v=tZcvbnT1_sg&feature=youtube_gdata
マリオネットは関節の数は人間にくらべて断然少ないのに見事な動きをしますね。

人形(書物の王国).jpg

『マリオネット劇場について』
※人形 (書物の王国)内に収録

著 者:ハインリヒ・フォン・クライスト(佐藤恵三訳)
単行本: 230ページ
出版社:国書刊行会 (1997/12)

「どんな運動も一つの重心を持っていて、人形の内部にあるこうした重心を自在に扱えれば、それで十分だろうし、そうすればいわば振子にすぎない手足は、なんら外力を加えなくとも機械的におのずからついてくるものだ、ということです。」

(「マリオネット劇場について」本文より)

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。