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ロルフィングブログ

12.『機能解剖学書籍』

2013.7.15(月)

まず指摘しておくべき点ですが、個人的には「機能解剖学」についてはボディワーカーとして活用しています。つまり、その名の通り身体本来の機能を引き出して、ヒトの構造通りの動きを引き出すのが目的

理学療法士の方にとってはEBMの観点からより厳密的な見方をされているようですが、僕はロルフィング的視点でテーブルワークやムーブメントワークのインスピレーションをもらう為の見方をします。


大学時代からこうした解剖学の専門書をヒマがあれば眺めていました。それは身体を楽に扱う為のヒントを探していた為です。ただ最近までは何かしらの貴重な情報があると感じながらも実際に有効に活用できたかと言えばそうではありません。適切な活用方法がわかりませんでした。

それが最近、解剖学の活かし方がやっとわかってきました。

たとえば、手首にある手根骨は8個の小さな骨のあつまりですが、手首の動きはこれらの小さな骨達による「転がり運動」「滑り運動」によって繊細な動きを可能にしています。この傍目には見えない微小な動きがわかるとその関節の動きが格段に変わってしまいます。

こうした知識はダンサーなら手先の滑らかで繊細な表現をするのに大変役立ちます。ただ単に反復練習するのと、機能解剖学的視点をもったワークを行って行うのとでは効率が大分ちがいます。

僕自身、指先から波を起こすパントマイムやストリートダンス(ポッピング、アニメーションダンス)でよく行われる「ハンドウェーブ」の動きが数日で完全に変わってしまいました。

※実は通常のハンドウェーブを練習しておらず僕自身はできないので、レクチャーDVDダンススタイルポッピングに収録されているSEENさんのより細かく波を通すハンドウェーブでのことです。


こうした微小な動きは身体のあらゆる関節で起こっています。関節の微小な動きについてはすでに機能解剖学の世界では詳細に分析されて書籍にまとめられていますので如何にその専門書から適切な情報を取り出せるかが重要です。


この専門書から情報を取り出す作業は、古い地層から化石をとりだすのに似て非常に興奮する作業です。

下記でご紹介する書籍は僕が実際に活用しているものです。あらゆる書籍をみたわけではありませんがこの3つのシリーズはイラストの視点が異なっており、また関節の動きに関して現在判明している大半のことはカバーされているのではと思います。

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『からだの構造と機能Ⅰ』
http://www.gaiajapan.co.jp/scb/shop/shop.cgi?No=576
日本語版監修者:丸山仁司
訳者:バンヘギ裕美子
単行本: 240ページ
出版社: ガイアブックス(2011/6/10)

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『からだの構造と機能Ⅱ』
http://www.gaiajapan.co.jp/scb/shop/shop.cgi?No=586

日本語版監修者:丸山仁司
訳者:バンヘギ裕美子
単行本: 365ページ
出版社: ガイアブックス(2011/09)

機能解剖学の専門書で一番のお気に入りシリーズ。

著者が記しているようにこの2冊は解剖学の基本をある程度把握していることを前提として書かれています。説明も簡潔なので詳しく知りたいとすると別の書籍が必要だと思います。

ただし、このシリーズの強みはなんといっても関節の動きに関するわかりやすいイラストです。他書でも同様の関節に関しての細かい動きに関しての説明はありますがそこに添付されているイラストは直観的にはわかりにくかったりします。

僕の本書の使い方としては、まずパラパラと中身を見て面白そうなイラストがあったらその部分について他書で調べています。

ところどころ誤字、脱字、訳のおかしさなどが他書に比べると多い印象がありますがそれもご愛嬌。本書の価値を低くするものではありません。むしろ疑問点を他書で調べる良い機会になり記憶の定着に寄与します。

本書は、従来の解剖学書に代わるものでもなく、代えることもできません。たとえば骨の説明は簡潔で、反対に関節面と関節の構造については非常に詳しく述べています。また筋起始と筋停止を知ることを優先させた一方、筋肉の機能を詳しく説明することも重要視しました。

からだの構造と機能Ⅰ「はじめに」より

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『筋骨格系のキネシオロジー』
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=213950
著 者:Donald A.Neumann
監訳:嶋田智明・有馬慶美
単行本: 808ページ
出版社:医歯薬出版(2010/03)

大学時代からイラストが美しくで図書館にて度々借りており、社会人になってから自分でも購入した1冊。

関節の動きである「転がり運動」「滑り運動」が詳細にイラストで描かれており非常に重宝しています。

惜しい点としては、仙骨と腸骨の3次元的な動きが描かれていない点です(平面的なイラストしかない)。

本書は筋骨格系の解剖学的詳細を大きく強調している。驚くほど少ない物理と生理学の法則を適用して、読者は、静的な解剖学イメージを、動的、3次元的など比較的予想しやすいイメージに変換できるはずである。本書のために作成されたイラストは、この変換を助長するようにデザインされている。運動学へのこのアプローチは、丸暗記の必要性を減らし、力学的分析に基づく論理的思考を促す。この型の論理的思考は、臨床家にとって筋骨格系機能障害に関連する適当な評価、診断、治療をする手助けとなりうる。

「はしがき」より

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『カラー版 カパンジー機能解剖学 I 上肢』
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=211810
著 者:A.I.Kapandji
訳者:塩田悦仁
単行本: 353ページ
出版社::医歯薬出版 (2006/05)


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『カラー版 カパンジー機能解剖学 II 下肢』
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=211820

著 者:A.I.Kapandji
訳者:塩田悦仁
単行本: 336ページ
出版社: 医歯薬出版(2010/03)


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『カラー版 カパンジー機能解剖学 Ⅲ 脊椎・体幹・頭部』
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=211820

著 者:A.I.Kapandji
訳者:塩田悦仁
単行本: 328ページ
出版社: 医歯薬出版(2008/02)

僕が使用しているのは全面的な改訂前の「カパンディ関節の生理学」ですが基本的内容としては同じです。改訂されて図が完全カラー化されており、文章のレイアウトも見やすくなっています。

このシリーズを1ページ目から読み込んでいくことはおすすめしません。図も局所的であり一見してもどの部位のものかがわかりずらいです。ただし、気になった点を調べる用途には絶大な威力を発揮します。初版は1986年ですがそれでも他書ではふれていない記述が多数あり、またさまざまな文献に引用されています。

多くの理論が存在するということは、可動域の小さな運動を分析することがいかに難しいか、またヒト個人個人によってさまざまな運動が生じる可能性があることを示している。仙骨の動きは分娩の生理に関係するがゆえに、仙骨の動きに関するさまざまな理論は、単なる抽象的な理論にすぎないのではなく、たいへん重要な意味がある。

カパンジー機能解剖学 Ⅲ 脊椎・体幹・頭部」より

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。