『ホンダ イノベーションの神髄』

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13.『ホンダ イノベーションの神髄』

2013.9.17(火)

著者はホンダにてエアバックの開発に携わり開発責任者も務めた方です。

本書を読んで驚いたことは、今となっては標準装備となっているエアバックが開発段階では、トップ以外ほぼ全員からの大反対にあっていたということです。著者は数々の困難を16年かけて克服しながらエアバックを世に出します。すると瞬く間に世界にひろがりました。

本書ではこの経験をもとにしてイノベーションを達成させる条件を説明しています。


著者は企業の業務を「イノベーション(創造)」と「オペレーション(執行)」に区別していますが、僕がこの考え方を知った時、前職から今まで経験してきた問題の理由がものの見事に明らかとなりました。

仕事でもなんでも長期的視点をもつと今のままではダメだと漠然とではありますが論理的にはわかるのに将来を見通した取り組みを提案するとことごとく反対にあうことが多くありました。それはイノベーションとオペレーションの区別が自分も含めてスタッフ全員がわかっていなかったことに起因していたわけです。

「イノベーション」と「オペレーション」を区別することは、オペレーション的な教育が採用され、民族的にどうしてもオペレーション業務を過度に尊重する傾向のある日本人にとって必須だと思われます。

ホンダという企業を題材としていますが、ボディワーカーや治療家(セラピスト)にとっても恩恵を得られる一冊ですね。


「オペレーション」と「イノベーション」の違い

◆オペレーション(執行)業務

会社の仕事の95%以上を占める、論理的に正解を追及できる業務のことで。「社員の給与計算」などの定型業務だけでなく、クルマのフルモデルチェンジやそれに使う技術開発、生産ラインの改善なども含まれる。何をすべきかがはっきりしているのが特徴で、いかに効率的にやるかが必要とされ、分析と論理が役立つ。


◆イノベーション(創造)業務

技術革新による新しい価値の創造。時間に応じて成果があがらないが、長い時間やっていると突然アウトプットがでてくる。最終的には成功か失敗のどちらかなので、改良や改善とは別物。成功率は10%以下で多くは失敗する。社内では常に大反対される。短期的成果を求めるとイノベーションは止まってしまう。しかし、イノベーションが止まり新しいものが出てこないと企業の衰退が始まる。熱意や想いが必須。


「イノベーション」阻害要因

本書に書かれているイノベーション阻害の説明部分を引用すると

最近日本から新しいものが何も出てこない。さすがに経営陣もこれには気付いて、「イノベーションを起こせ」と叱咤激励したり、中にはイノベーション部という組織をつくったりしている。ところが企業の若い人に聞くと、「上がイノベーションを起こせと支持を出しているのに、いざやろうとするとどうにも動きにくい。指示を出した人たちが裾を踏んでいる」とのこと。

意外ではあるが、イノベーションの足を引っ張る人たちは、善意もしくは正しいと思ってやっている。悪意でやっているわけではないので説得の余地はあるが、正しいと思っているだけに始末に負えないとも言える。

企業活動の95%はオペレーション業務が占めており、オペレーション業務で成果をあげて役員になった人が大多数を占めている。そして、大抵はイノベーションとオペレーションの区別はできていないのでオペレーションの価値観でイノベーションを評価してしまう。

ほぼ100%の成功率を求められるオペレーションの視点では、長期間にわたり九割が失敗し、全く新しい試みの為にデータを分析しても答えが出ない部分が多いイノベーションのプロジェクトは欠陥だらけに見えてしまう。そうして、イノベーションは常に社内で大反対に合い、継続させることを難しくさせている。


まとめ

もちろん、イノベーション業務だけを重要視していたら成果が出る前に企業はつぶれてしまいます。要はイノベーション、オペレーションともに特徴をしっかり把握してバランスよく行うことが必要ということでしょう。

そして、イノベーションを継続するということはお金も時間もかかり成功する保証もないので、周りの理解があったとしてもそうとうの覚悟が必要です。

ただその恩恵は計り知れないもの。

イノベーションに興味ある方にとってはものすごい一冊です!!

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『ホンダ イノベーションの神髄』

著 者:小林 三郎
単行本: 310ページ
出版社:日経BP社 (2012/7/26)

企業の役員や社長に言いたいことがある。「企業の今年の利益は、今の社長と役員の成果ではなく、10~15年前の社長と役員の成果。それなら今の社長と役員のすべきことは、10~15年後のために何に投資するか考えることだ」と。

<中略>

「イノベーションを起こさない国と企業は必ず衰退する」ことは、歴史が証明している。何も新しいことをやらない経営陣は、ただ先輩の遺産を食い潰しているのである。

「おわりに」より

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。