筋膜は身体のシンデレラ組織

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11.【記事】筋膜は身体のシンデレラ組織

2013.3.1(金)

今回の翻訳は筋膜についての記事です!!


体型を維持する:ヨガ、ロルフィング、孤独なシンデレラ組織

・・・・・・・・翻訳開始・・・・・・・・

身体で最も多く存在し、ほとんど無視されている組織はわかりますか?

その答えは「筋膜」(身体を包み粘着性が高く、滑走する組織)である。筋膜とは、筋繊維の細胞外基質、細胞を囲んでいるのり状物質や水分、筋繊維・筋肉・組織・骨・血管・神経、さらには第二の皮膚として身体全体をプラスチックラップのように包みこんでいる物質の総称である。

「筋膜は身体のシンデレラ組織といっても良いと思いますよ。」とTom Myers(統合的解剖学の提唱者であり、アナトミー・トレインの著者)は語る。「筋膜は少なくともつい最近まで、身体のすべての組織の中でも一番無視されてきましたから。でも、筋膜は身体を理解し、身体を機能的にして健康を維持するのにとても重要なのです。」

ここ数年、筋膜への関心が高くなってきています。2007年には、筋膜の研究者やプラクティショナーが協力し、2年に一度、研究者や健康関係者の新しい発見を共有する場としての筋膜研究会を設立した。(2012年度筋膜研究会は3月にバンクーバーで開催される予定である。)孤独なシンデレラ組織を理解することは、重要であるのにあまり知られていない身体の健康や機能的な側面に光を投げかけることになる。

以下は筋膜についての4つの興味深い事実である。


1.これまで筋肉について学んできたことは間違っている。

筋膜に関する新しい研究の中で最も重要な知見は、これまで私たちが筋肉について学んできたことは全て間違っているということである。

「医師の診察室にある赤い筋肉のイラストは筋膜をはがした状態なんです。」とMyersは語る。「それは身体の内側を正しく表してはいないのですが、解剖学を学ぶのに都合がよく、患者へも説明し易いんですよ。」

通常、私たちは筋骨格系について話し、筋肉は骨に付着しているとされている。ところが、Myersによれば実際には筋肉は骨には付着しておらず、筋膜に付着しているとのことだ。

「筋肉はハンバーガーのようなものなのです。筋肉は骨にはついていません」とMyers。「筋膜は、筋肉を包み、内部にも取り込まれています。筋肉を取り出すと、外側や内部の筋膜は紡ぎ糸のように腱に織り込まれています。」

約600個の筋肉や骨の腱付着部に身体を分けると理解しやすいのは確かだ。しかし、身体は600個の筋肉を1つ1つ捉えているわけではない。

「脳は上腕二頭筋とか三角筋というふうに個別には捉えていないのです。」とMyers。「筋肉というのは600個の筋膜の袋の中にある1つの筋肉でしかありません。最終的には脳は広範囲に及ぶ筋膜のネットワーク、そして個々のモーターユニットとして捉えており、筋肉単位では把握していないのです。」



2.組織をつつむだけではない

筋膜はただ単に組織を包んでいるのではなく、身体中に力を伝達し、力の変化に反応し、それ自体の形を変える活発な生物学的組織である。

ベルモント大学のHelene Langevinのような研究者達は結合組織のネットワークは他の全ての生理学システムに影響を与える伝達システムとして機能しているかもしれないと主張している。

厳密には、このような身体のネットワークがどの程度伝達の役割をしているかはまだわかってはいない。いくつかの伝達経路があるかもしれない。Langevinは例として、筋膜ネットワークは鍼灸のつぼや経絡のネットワークと一致していると思われるデータを取得している。この枠組みでは、鍼灸針は結合組織の面に沿って刺激を伝達し、細胞的変化を起こす。

似たような効果はヨガのポーズやパートナーストレッチ、ボディワークやマッサージにより加えられる圧によって結合組織を伸張することによっても起こる。


3.慢性痛を再定義する。

健康な状態では、筋膜ネットワークは制限無く伸張し、動く状態である。しかし、年齢やケガ、反復性ストレス、習慣的な悪い姿勢、そして感情的なトラウマは、筋膜の柔軟性を失わせ、癒着を起こし身体を制限する原因となる。

これは、短期間なら身体を安定化させる。しかし、残念ながら慢性的緊張したパターンに陥らせて、筋膜を正常に戻すことを難しくさせている。筋膜をシルクスーツを着ている状態に例えてみてほしい。もしスーツの一部を引っ張るとその影響は全身に及ぶのがわかるだろう。

筋膜の緊張パターンは全身に及ぶ。そして、身体全体の構造的ネットワークに影響を与える。これらは片頭痛、慢性的腰痛、線維筋痛症、そしてやっかいな他の慢性痛の原因になることがある。

この理由から、ロルフィングや筋膜リリースセラピーのような筋膜を直接的に対象としたボディワークテクニックは、しばしば、ワーク場所ではない短縮した部位への大きな身体的・感情的リリースに繋がる。


4.フィットネスへの新しい認識

通常、私たちはフィットネスに関して筋肉や心臓血管系のトレーニングとして捉えているけども、筋膜は意識されていない。統合され、正常化した筋膜ネットワークを身につけることはスポーツ関係者だけでなく、一生健康的で機能的な身体を維持したいと願う人にとっても重要なことなのである。

身体を鍛える際、筋膜も同様に鍛えられている。しかし、それは本来望ましいやり方ではないことが多い。もし、マシーントレーニングなどのフィットネスを行っていても、強く・多面的で・機能的な望ましい筋膜のネットワークにはならず、取り組みへの効果を低下させる一元的なネットワークになってしまっている。

「エクササイズマシーンは個々の筋肉を鍛えるのに適していますが、筋膜を鍛えるには良い方法とは言えません。それは、特定の筋膜を偏ったの動きで鍛えている為です。」とMyersは語る。「マシーンのように直線的に身体を動かすことは人間にとっては不自然な動作です。結果的に適切でない筋膜にする取り組みになってしまっている。」

身体を鍛えることについて、Myersは好ましい動きは様々な方向へ負荷をかけるやり方です。それは、身体を多機能的にし安定性を高めます。ヨガのアーサナは様々な方向に筋膜の繋がりを伸ばし、筋膜の体系的な働きを取り戻すのに役立っている。トレーニングのし過ぎや偏った同じ動作の繰り返しは筋膜の癒着やケガに繋がるのである。

・・・・・・・・翻訳終了・・・・・・・・

記事の中にもありますが最近、筋膜への関心が高まっています。これは手技療法家だけでなく、一般の方にも徐々に浸透してきているようで雑誌「Tarzan」(ターザン)にも定期的に特集されています。


ロルフィングの創始者であるアイダ・ロルフは半世紀も前から「筋膜」に注目していたのですが、天才とはやはり違うものだと思いますね。

ロルフィングの理論がそのまま科学的に正しいとは言えないとは思いますが、完全に間違ってもいないのではとも思います。ここのあたりは徐々に判明していくでしょう。

ただ、ロルフィングは経験則も含まれており、セッションでの効果の出しやすい便宜的な考え方をしているところもあります。それはガチガチに科学的な考え方をするよりも実践に即した捉え方をした方がセッションで効果的なケースがある為です。科学の手順的には正しいけども効果がでなければ本末転倒です。


ロルフィング的な例で言えば「大腰筋は腹直筋の拮抗筋である」というアイダ・ロルフの言葉があります。解剖学の拮抗筋の定義からすると間違いなのですが、セッションでは役に立つ口伝です。

別の例では「気」があります。形がなく、科学的にはまだ存在するかわからない。でも「存在する」という前提でいると説明したり、理解しやすいというもの。

「気」でも「エネルギー」でもなんでもよいのですが、でているとイメージするだけで身体の使い方や手技などの効果が変わってきます。


もちろん対外的には科学的研究に即した説明に変えていかなければいけないと思っていますので、最新の情報をしいれたり、考え方を変えていく頭の柔らかさはロルファーに必要だと思います。

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。