【コラム】2関節筋の特徴を理解してトレーニングしてますか?

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27.【身体】2関節筋の特徴を理解してトレーニングしてますか?

2013.4.26(金)

スポーツのような競技において発生頻度の高い傷害の一つにハムストリングスの肉ばなれがあります。

ハムストリングスとは大腿部後面にある「大腿二頭筋」「半膜様筋」「半腱様筋」の3つの筋肉の総称です。

ハスストリングスは簡単に説明すると骨盤と膝下部分に付着しています。重要なのは「股関節」と「膝関節」をまたいでいるということです。このように2つの関節をまたいでいる筋肉を2関節筋と呼ばれ、連動した身体の動きをする為に重要になってきます(1つの関節をまたぐ筋肉は単関節筋と呼ばれます)。

働きは

●股関節を支点とし、ふとももを後ろにワイプ運動させる
●膝を曲げる

の2つです。


ハムストリングスが肉ばなれする原因としては、

●大腿四頭筋(大腿前面に付着している)とハムストリングスとの筋力のアンバランス
●ハムストリングスの弱さ
●ハムストリングスの硬さ
●ハムストリングスの支配神経による刺激伝達の非協調性

など様々なメカニズムによって発生すると考えられています。

これらの原因の中では「ハムストリングスの弱さ」が最も注目されており、この筋肉を鍛える方法としてレッグ・カールという膝を曲げる種目が採用されるケースが多くあるようです。


ただし、このレッグ・カールの運動は膝を曲げる動作に焦点をしぼっているので単関節的な考え方をしています。

そもそもハムストリングスは2関節筋でした。つまり、人体の構造上、適切な方法ではありません。

2関節筋の筋肉の使い方のパターンは3つあります。

①両側の筋肉が縮む
②両側の筋肉が伸びる
③片方は縮み、もう一方は伸びる

日常動作では主に③の動きを身体は選択しています。
歩く、走る場合の膝を持ち上げる動きでは骨盤部分では伸長し、膝部分では短縮するというものです。大腿骨を後ろにワイプさせる局面では逆の働きになります。

通常のリハビリやコンディショニングでは③の視点をもつことが重要になると考えられます。




よくリハビリの現場でみられるハムストリングスのストレッチで膝を伸ばした状態でパートナーに脚を上に持ち上げてもらうストレッチがあります。これも2関節筋の特徴からすると問題があります。この動作では筋肉の両側が伸ばされる不自然な状態になります。

もちろん空手の蹴りやバレエでの脚を上方で持ち上げるといった動作のような競技特性を考慮した場合、リハビリでこの種目以外の選択肢がない状況では、筋の両側を伸ばすトレーニングは必要です。

ただし、一般の方やそうした特性のない競技をしている選手にこうしたストレッチをほどこす必要性はないのではないかと考えられます。

実際に上記のレッグ・カールやストレッチをほどこしても依然として肉ばなれの発生率は低下しないという報告があります。

アメリカでは徐々に2関節筋の特徴を加味したトレーニング方法が考案されているようですね。

ちなみに専門的には筋肉が縮む筋肉の活動を短縮性筋活動(コンセントリック・コントラクション)、伸びる筋肉の活動を伸張性筋活動(エキセントリック・コントラクション)と呼びます。

海外の某理学療法士は2関節筋の片方が縮み、もう一方が伸長する筋肉の活動をコンセントリックとエキセントリックを合わせて「エコンセントリック・コントラクション」という言葉を作って使用しているそうです。

学術的に認められた言葉ではありませんが2関節筋を考える際に必要な概念であり、「エコンセントリック」という用語があると説明するのに便利ですね。

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。