身体のゆがみ:O脚のメカニズム

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41.【身体】身体のゆがみ:O脚のメカニズム

2013.9.16(月)

日常の生活習慣により下肢の骨がゆがんでしまうことにより、脚と脚の間に空間ができてしまう姿勢性のO脚で悩む方が多くおられます。

「中にはタオルで両膝を結んで寝る」といった無理やりな矯正をしている方もおられるようです。ただし、これはO脚のメカニズムを無視した対応になりますので効果はありません。

O脚は見た目だけの問題だけでなく、脚を機能的に使えなくなるので疲れやすい、ゆがみが更にひどくなる、膝の内側に負担が集中し膝を痛めるといったことにつながります。

O脚には先天的なものや半月板の損傷による変形(変形性膝関節症)によるものがあります。これらは本質的な改善は難しいですが、姿勢性のO脚は解決が可能です。


身体の連動

立位時のアライメント変化についての研究をご紹介します。

10°、15°、20°の傾斜台を用いて足首を外がえし(外反)させた際、足部外反に伴い下腿(膝下部分)および大腿(ふともも)は内旋し、骨盤は前傾(前方に傾斜)することが解析の結果判明しています(↓図参照)。


これは足部のアライメントの変化が上位の関節のアライメントに影響を与えることを示しています。つまり、各関節はお互いに関係し連動し合っているということです。

紹介した研究では足部の変化によるものでしたが、これは骨盤、大腿部(ふともも)、下腿(膝下部分)といった足部以外の関節の変化も同様に関連し合っています。


姿勢性O脚、X脚のメカニズム

姿勢性のO脚は、

  • 大腿骨の内旋
  • 下腿の内旋
  • 膝関節の過伸展
  • 足首の外反(外がえし)

などが組み合わさり、両膝の距離が離れ、下腿が弓なりになった状態を言います(↓図参照)。


上記の“身体の連動”で紹介した研究と同じメカニズムが姿勢性のO脚にも関係しているのがわかります。

ヒトのカラダにとって適切でないアライメントが定常化してしまった状態は骨格のゆがみと言えますが、まさにO脚は習慣的な癖や偏った身体の使い方により正常から逸脱し、骨格がゆがんだ状態です。

では骨格をゆがませる要因はなんでしょうか?さまざまな要因がありますが代表的なものは以下の3つが考えられます。

  1. 筋力の低下
  2. 生活習慣
  3. 筋膜の硬化



筋力の低下

O脚には膝の過伸展が関係していると説明しましたが、その膝の過伸展に関係するのが腓腹筋です。

腓腹筋は膝下の裏側についている筋肉でこの筋肉が発達すると「子持ちししゃも」と呼ばれる筋肉です^^

腓腹筋は膝関節と足首の関節をまたいでいる2関節筋です。

膝関節を曲げる・足首の関節のつま先を下に下げる2つの働きがありますが、筋力の低下もしくは適切に筋力が発揮できない場合には膝の過伸展につながります。




生活習慣

最近、内股の女の子が増えている印象がありますが、つま先を内側にした内股の姿勢はO脚への入り口です。

つま先を内側に入れることにより下腿、大腿は内側に内旋します。そして、身体の連動によって骨盤は前傾して腰を強く反らせる、もしくは腰がぬけて骨盤が前方に突き出すような姿勢になり猫背になる傾向があります。

こうした習慣が長ければ長いほど癖は強く残ります。そしてのちの筋膜の硬化につながります。

また、なぜ内股の女の子(最近では男の子も)が増えたのでしょうか?それは筋力低下の問題ともリンクしてきますが、運動する機会が少なくなったこともその要因の1つだと思われます。

そして、運動する機会の喪失はただ単に活動量の低下につながるだけでなく上手く身体を扱う方法を習得する機会を失うことにもつながります。

上手く身体をつかえないので骨盤を前傾させ腰を反らしたり、前方に突き出して身体の支えをつくり、その結果として内股傾向につながるわけです。


筋膜の硬化

前回のコラム40.第2の骨格『筋膜』で筋膜についての概要を説明しましたので詳細は省きますが、筋膜は全身の筋肉を覆っています。そして、筋膜の粘着性が高まると可動性が低下します。

長い期間骨格が歪んだ状態でいるその状態で筋膜が固まってしまいます。スーパーではお肉がケースにパックされて販売されていますが、まさに骨格がゆがんだ状態で筋膜でパッキングされ大腿骨が内旋した状態が普通になってしまいます。この筋膜のパッキング効果と身体の使い方の癖によって長い間かけて今のO脚という姿勢を形作っているわけです。

なので巷にはO脚の為のエクササイズや筋力トレーニングなどが指導されていますが、なかなか効果をだすことが難しいのです。


筋膜リリース&身体教育

これまでの流れで姿勢性のO脚は身体の使い方の問題だということが見えてきました。そして、身体の使い方の癖と筋膜の硬化が関係しているということも。

ではどうしたらよいのでしょうか?

一つの方法としては身体のアライメントが正常になるように筋肉によって脚が内側に内旋するのならそれとは反対の力を入れる癖をつけるような方法が考えられます。つまり、これまで行ってきた身体の使い方と反対のことをするということです。これなら、少しづつではありますが正常な方向に近づいていけそうです。

ただ残念ながらこれでは身体の癖に癖を重ねているだけです。無意識や筋膜は大腿部を内旋させようとする。それを意図的に外旋させる。これは人間本来の身体の使い方ではありません(現代人の身体の使い方ですね。)

ロルフィング的には筋膜をまず解放(リリース)させることをおすすめします。それも表層にある筋(表層筋)から深層にいたる筋(深層筋)までです。それによって構造面の問題を解決します。

これだけでもO脚は改善することが多いです。ですがこれだけでは身体の使い方は変わっていませんので、恒常的に解決するには身体の使い方の教育が必要になります。

詳細は省きますが膝周りの筋肉が適切にぬくことができると下腿の骨である脛骨と足の骨が一直線になり(O脚は足首が外反しておこります)、キレイな脚のラインになります。気配のない美しさです☆

また、上記の“身体の連動”でとりあげた研究のような動きとその反対の動きがを組み合わせたムーブメントを行うと全身の身体の使い方がみがかれて体軸が育ってきますので身体全体の姿勢も整ってきます。

おまけ

面白いのは今回はO脚をテーマに説明をしていますがパフォーマンスを追及しているスポーツマンやダンサーへのセッションとそう行う内容に変わりはないということです。あと腰痛などで悩まれている方などもそうです。説明の仕方が多少変わるだけです。

あっ、もちろん手を抜いているわけではないのですよ^^

そもそも論として人間本来の身体を追及していくと身体の不快症状や姿勢問題は自然に解決して、パフォーマンスは高まる方向にいくということです。

ロルフィングというものはこのような考えでできている。だから各論で対象を設定してくれれば説明しやすいのですが、ロルフィング全体を説明しようとすると抽象的で全くわからないことになります(苦笑)

【参考文献】
足部 スポーツ障害治療の科学的基礎
ケンダル筋:機能とテスト-姿勢と痛み-

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。