骨盤・仙腸関節の動き

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42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動き

2013.11.3(日)

脚の付け根は通常股関節(骨盤と大腿骨との連結部分)と考えられています。

しかし、考え方を少し変えるとより身体が楽にそして効率的に使うことが可能になります。

今回の記事では脚の付け根の考え方とその前提となる仙腸関節の動きについて説明しようと思います。

脚の付け根

機能的にはみぞおち(胸椎の12番目)が脚の付け根と捉えることができます。


その根拠としてはみぞおちの高さは上半身と下半身をつないでいる筋肉である“大腰筋”が付着している部位であるということです。

大腰筋はふとももの骨(大腿骨)をお腹の方向に持ち上げる働きをします。また、大腰筋は腰椎1つ1つにも付着しているので動きの中では腰椎の側屈や回旋にも関係していると考えられます。



みぞおちから脚化する条件

よく犯す間違いとしてはみぞおちを過度に意識したり、大腰筋を鍛えようとすること。適切に身体を使えるような試みならば手段はなんでもよいのですが大抵は余計な力みをともない形だけできているように演出(偽装)することです。

このような状況にならないように条件をあげてみます。

①仙腸関節の可動性をよくすること。
②腰椎を自由に使えるようになること。

※これには水準があり、水準を高めればより洗練された動きになります。パフォーマーは水準を高めることには際限がないと考えるとより上達し続けることができるのではと思います。厳しい道のりになりますが。。。


骨盤(仙腸関節)の動き

ここからは仙腸関節の可動性を出す為に必要な仙骨と寛骨(骨盤の仙骨を除いた部分)の動きについてご紹介します(腰椎についてはまたの機会に)。

仙骨は前(うなずき運動:ニューテーション)と後ろ(起き上がり運動:カウンターニューテーション)に傾くことができます。その時の骨盤の動きは下記の図の通りです。


肘の関節のように単純な関節の動きではないということがわかっていただければよいと思います。


仙腸関節の可動性をだす手段

仙腸関節は靭帯でガチガチに固められています。日本において以前は仙腸関節は動かないとされてきたようです。ただし、諸外国の解剖学書には動くことが当たり前とされています(新鮮な屍体において仙腸関節は普通に動くそうです。逆に時間が経ちすぎた屍体では動かないもしくは、動きにくいとのこと。)。

ただ動くといってもその可動域は大きい人で数ミリ程度です。生体ではこの可動範囲を測定するのはかなりの難易度です。ですので実際に僕たちの「仙腸関節が動く」という明確な証拠は今のところないようです。

ですがここで重要なことは、実際に動きがある・なし関係なく、この関節が動くと過程して捉えると動きが変わってしまったり、痛みが消失するということが起こります。

ここでは、あくまでも学問としてではなく、ある目的を達成する為の手段として仙腸関節を捉えています。

では仙腸関節の可動性をだす手段ですが、「ロルフィングのたちばな」では下記の2つの観点で行います。

①手技
②ムーブメント

①の手技として僕は現在AKA(関節運動学的アプローチ)療法というテクニックを用いて直接仙腸関節の可動性をだす試みをしています。まだこのテクニックを活用してから日が浅いのですがその効果は明確にでます。

上手くAKAにより仙腸関節の動きがでるとその周辺の組織がゆるみます。そして、足踏みでは骨盤のより中央から脚をつかえるようになりますし、脚の付け根が仙腸関節のような感覚もでてきます(これはある一定の身体・感受性が身につかないととわからないかもしれませんが、、、)。

ちなみにAKAでの仙腸関節の可動性をだす手技では動きがでる感覚としては「ヌル」とした感触があります。

仙腸関節に限った話ではなく背骨の棘突起を一つ一つ他動的に動かした際もその可動範囲に違いはありますが同様の感覚があります。

ちなみに、背骨の棘突起を他動的に動かそうとしても動かない部分がありますが、簡単に言ってしまうとそうした部分が身体の痛みの原因になっているとAKA療法的には考えます。そして、動かない部位はセルフの取り組みではなかなか動くようにはならないとも言われます。確かにそのような感じがします。

個人的には痛み以外の“動作改善”という視点でも他動的に動かせるようになることを重要視しています。

大抵は背骨はいくつかの塊として動いていますが(これは身体を細かく動かすジャンル【ポッピング、アニメーションなど】のダンサーでもそうです。ただ一般の方よりは動く傾向にあると考えてよいと思います。)、より背骨一つ一つ細かく使えるようにするには手技的手段によって可動性をだすことは役立ちます。

もちろん、手技的手段で可動性をだしたらあとは具体的に使えるようにする為には下記のムーブメントが重要になります。


また、②のムーブメント的な手法では下記のような骨盤の動きを考慮しながら仙腸関節の動きを引き出していきます。


骨格的には寛骨までが脚

上記では脚は“みぞおち”からと説明しましたが、骨格的には骨盤から仙骨をのぞいた部分である寛骨から脚と見ることができます。これはちょうど腕の付け根は鎖骨(胸鎖関節)として捉えるのと同じですね。

また、脚の付け根がみぞおちであるような見方をすると、腕の付け根は胸椎10番あたりということもできます。

ただ注意しなければいけないことは知識でこうしたことを「知る」ことと「できる」ことは全く違うということ。できれば知るだけでなくより高い水準の身体になる為の一つのヒントとしてこうした知識を活用していただきたいと思います。


仙腸関節の本質的な役割

仙腸関節の本質的な役割負荷吸収装置であり、この関節が適切に動くことにより地面からの衝撃を上手く逃がし身体に負担をかけない仕組みになっています。

そのため、衝撃や仙腸関節に力を加えると「関節の反射」が起こり靭帯や周辺の軟部組織が収縮し関節をロックさせます。

そのため、仙腸関節を動かそうと力を入れると関節がロックしただでさえ可動域が狭いものが更にその動きがでにくくなります。

こうしたことが「仙腸関節は動かない」とされている理由の一つかもしれませんね☆

AKA療法では仙腸関節に突発的な力を加えずに、ソフトな圧を加えると上手くできるようです(よりソフトに行うのが今の課題です)。

実は僕のなかではロルフィングで行う筋膜リリースの感覚と同じです。捉える対象が筋膜になるか、になるかだけの違い。その本質はボディユース(身体の本質的な使い方)にあります。

【参考文献】
徒手的理学療法
からだの構造と機能2 腰椎 骨盤 股関節 下肢
仙腸関節の痛み-診断のつかない腰痛

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。