正しい【立ち方】 -姿勢はフォームではない-

ロルフィング in 東京

HOME > コラム > 45.正しい【立ち方】

ロルフィングとは?ロルフィング10シリーズムーブメント5シリーズ

ロルフィングブログ

45.正しい【立ち方】 -よい姿勢はフォームではない-

2015.4.13(月)

【記事内容】

●「正しい」とは?
●ダメな取り組み
●正しく「立つ」ための要素
●脛骨ポジション
●大腿骨コントロール連動
●頭部の水平性
●全身の統合

「正しい」とは?


タイトルに「正しい」という用語を使用しましたが、ここでの「正しい」とは人間本来の身体構造に乗っ取った『全身が関連性をもった立ち方』「正しい」と考えています。


本コラムでは、現在の「ロルフィングのたちばな」が考える、人間本来の立ち方を身に着けるにはどのような要素・取り組みが必要なのかという【仮説】を述べていきます。



正しい【姿勢】はフォームではない

まずは、あまりおススメできない取り組み方をあげてみます。

①見た目だけを整えようとする

●壁に身体の背部をつける
●身体の側面が垂直になるように日常的に気を付ける

②身体の1部分を意図的に操作する

●胸を張る
●骨盤を立てる



よくネットなどで見られるのが身体の側面の目印が垂直になるように身体を意図的に形だけを整えたり、壁に背中がつくようにしたりといったするといった試みです。

しかし、このような意図的に身体の形を整えようとすると不自然になりますし、余計な緊張が生じてしまいます。

立ち方を考えるにあたって「胸を張る軍隊式姿勢はよくない」という認識は広くされていますが、意図的に「形」を整えようとする行為は同種の試みになります。

特に壁に背中を付けるという方法は全くその立ち方が良いという必然性がありません。実際行っても腰や首が強く反ってしまう結果になります。

「立つ」とは【立ち姿勢】と言い換えることができます。

「まっすぐでよい姿勢」と言われますが、この表現の中には見た目がキレイというだけでなく、身体にかかる負担が少なく快適な身体という意味も含まれています。

身体が快適である為にはそれだけ身体を合理的に使い機能的でなければいけません。

見た目だけを整えるだけでは「快適な身体」にはなるのはかなり難しいでしょう。

正しい【姿勢】とはフォーム(形)ではないのです。



正しく「立つ」ための要素

正しく立つ為に最低限必要だと考える要素をあげていきます。

●脛骨ポジション支持
●大腿骨コントロール連動動作
●頭部の水平性
●全身の統合


脛骨ポジション

膝から下の部位(下腿)は太い骨と細い骨の2本で構成されています。太い内側の骨を頚骨、細い外側の骨を腓骨と言います。

この内側にある脛骨は距骨という足関節の土台となる骨にのっています。それに対して腓骨は脛骨の外側に付着しています。つまり、骨格の構造上体重を脛骨で支えることが合理的であると言えます。



「ロルフィングのたちばな」では脛骨もしくは距骨で体重を支えることを【脛骨ポジション】と呼んでいます。

下図のように体重支持の位置によって脚のアライメントに違いがでてきます。




大腿骨コントロール連動

大腿骨と骨盤は骨格的構造的に連動しています。大腿骨が内側に回旋するとその影響は骨盤に伝わり骨盤が前に転がります(前傾)。大腿骨の外側の回旋では骨盤は後ろに転がります(後傾)。



脛骨ポジションで身体を支持した上で大腿骨をコントロールすることにより【骨盤】【脊柱】【頭部】は一定の軌道を動きます。

つまり、この大腿骨を外旋~内旋する中のどこかに身体が骨格構造的に適切になる位置があります。

実際に脛骨ポジションを取り、全身の連動を行うと地面の力が頭上へと流れていく感覚になりますが、この感覚を掴むことができると全身が大腿骨を動かすことによりコントロールすることができます(この説明は厳密的ではありませんがこのような捉え方をすると上手くいきます。


頭部の水平性

【脛骨ポジション】【大腿骨コントロール連動】というのはある意味下部から立位に働きかけていきますが、頭部の水平性は上部から立位に働きかけることになります。

頭部が水平になることにより、頭部の位置が定まります。

その為に、重要視しているのは【顎関節】と【後頭下筋群】です。

下顎は頭蓋から構造的に吊られており、この下顎がバランスをとる装置であるという考え方があります。

また、後頭下筋群はは身体のセンサー(固有感覚受容器)が他の部位よりも密に存在していると言われています。

実際に顎関節や後頭下筋群、頭蓋へのワークを行うと頭の位置が定まります。

参考文献:『図説 直立動態と心身症状』


全身の統合

これまで【立ち方】に関係する要素を上げていきましたが、これらの要素をまとめる(統合)必要があります。そこで行うワークが【軸プッシュ】というものです。

●軸プッシュ

2人で行います。お互い手のひらを合わせて一方が押し、もう一方はその押してくるのに抵抗して耐えます。この際に押す方は手の平の圧を感じながら、
●「脛骨ポジション」に乗る
●「大腿骨コントロール連動」で地面の力を相手との接触面に伝える
●全身の力をぬく
●頭部を水平にする
●肘を伸ばしていく


上記の手順を踏んで、上手く立てるようになれると抵抗なく押せるようになります。ポイントは相手にもたれないことです。突然相手が消えてしまって自身の立ち姿を確認した際にナナメになっていないこと、通常通りの立ち姿でいることが重要です。

【軸プッシュ】で相手を抵抗なく押せるようになる【立ち方】ができると歩き方も明らかに変化します。この時、明らかに立つという運動があらゆる身体動作の土台となっていることを実感します

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。