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5.指導者に必要なこと

2013.2.26(火)

指導者になる方というのはもともとその専門の分野が得意であったケースが多くあると思われます。ただよく言われるようによいプレイヤーが必ずしも良い指導者になるわけではありません。

「選手」と「指導者」では基本的な考え方が違います。

現役の選手の場合、ある意味自尊心を多めに持つことが資質の一つです。どれだけ自分が才能に恵まれているのか、他の選手よりも優れているかを潜在的であろうと、顕在的であろうと絶えずアピールする傾向があります。つまり、自分が「特別」でありたいという思いです。これは競技レベルが高くなればなるほど必要な要素です。他者を蹴落としてでも這い上がっていかなければいけないのです。

逆に指導者は、指導する選手が適切に上達できるように手助けをするのが仕事です。良い指導者とはどのような選手でも上達させることができることが評価につながります。

これは書籍などのプロフィールをみると顕著にわかります。選手だったり、実践面で活躍されている方はいかに幼少期から才能にめぐまれ、他者と異なっていたかをアピールするのに対し、指導者的な仕事をしている人は、自分がいかに平凡でありまた、平均よりも下だったかをアピールします。そして色々な試行錯誤のはてに欠点を克服してきたということを強調して自身のメソッドの優位性をアピールするわけです。

つまり、基本的な考え方が真逆なのですね。

このことに気が付いて現場から指導者の立場になればよいのですが、現場の意識を持って指導者的な立場になっている人が日本にはかなりの数いるのではないでしょうか?

女子柔道の体罰問題もその一つです。選手中心ではなく監督が中心の思考をしていた為、体罰という暴力が柔道の上達に役立つと心の底から思い込んでいました。体罰にどのような効果があるのかを検証せずに必ず役立つという妄想を膨らませていたわけです。

監督自身がそう思うのはよいのです。自身よりも上の人から体罰で自身が体罰的指導を受ければよいのですから。でも実際はそうはしない。自分は誰からも傷つけられない安全なところにいながら、選手を傷つける行為を繰り返していた。

体育会系の世界というのは縦社会です。体罰などである意味洗脳されている社会でもありますが、その世界の中で下のものから訴えられるという今回のような事例はよほどのことだと思います。

結局構造的な問題は本来は選手中心に考え、選手が適切に上達できる環境を提供するべき指導者が、自身を中心にしてものごとを考えてきたということです。

別のケースでは某アナウンサーがテレビ局を退社後、そのテレビ局の先輩からの厳しい指導が『地獄の日々だった』と語りニュースにもなりました。これも本来は至らない点が多々あったにせよひとつでも欠点を克服できるように手助けをするべき先輩がただ単にあらさがしをして欠点を指摘し続けたのが問題です。結果として欠点を克服するどころか自己肯定感を徹底的に傷つけられてしまった。おそらくこの先輩達も適切な指導方法を真剣に考えずに感情のままに指導をしてしまったのでしょう。


そこで個人的に指導者や指導にたずさわる人に絶対行ってほしいことがあります。それは自身が「ものすごく苦手としている分野を強制的に学ぶ」ということ。がんばればできるようになるというものではなく、数か月程度では全く克服できないものがあればなおさら適しています。

身体を動かすことが苦手な指導者ならダンスなどが良いでしょう。パソコンが苦手ならパソコンのプログラミングの講座を学びます。そして、その身に着けたいのにできないという状況で、どうやったらより効率的に苦手な分野を克服できるかを考えます。

このような状況でもし「体罰」が役立つと思うのならそうした指導をしてもらえればよいのです。厳しい指導を望むのならそれを実際に受けてみましょう。

如何に不合理なものかを痛感できると思います。

こうした体験を数か月間、強制的に経験していれば、伸び悩んでいる人に理不尽な対応はしなくなるでしょう。

実際人間の想像力というものはそれほど優れていません。実際に体験してみなければ想像できないことは多々あります。想像しようとすればまだ良い方で、想像する選択肢すらもたない指導者も多々います。


特に自分の得意な分野をつきすすんできただけの人はこの想像力が欠損している人が少なくありません。自分は簡単にできたことが生徒ができないと「なんでそんなこともできないんだ!!」と感情的に怒鳴ったり、熟慮せずに「才能」「センス」が無いと切り捨ててしまうのも仕方のないことでしょう(もちろんこうした人は指導者の資格は全くありませんが、、、)。

なので自分が「できない」という経験をすることが必要なのです。

2015年8月28日(金)
ムーブメント5シリーズを修正・加筆しました。

2015年4月13日(月)
●コラムに45.【身体】正しい【立ち方】を追加しました。

2015年4月12日(日)
●コラムに44.【身体】脱力と体軸を追加しました。

2014年1月31日(金)
ダンサーの為のロルフィングページを追加しました。

2014年1月25日(土)
●コラムに43.【解剖】肩甲骨と前鋸筋を追加しました。

2013年11月3日(日)
●コラムに42.【解剖】骨盤・仙腸関節の動きを追加しました。

2013年9月17日(火)
●おススメ本に13.『ホンダ イノベーションの神髄』を追加しました。

2013年9月16日(月)
●コラムに41.身体のゆがみ:O脚のメカニズムを追加しました。